MT4をダウンロードすると、「MACD Sample.ex4」と「Moving Average.ex4」という2つのサンプルEAがはじめから搭載されています。こちらは実際のEAとして稼働させることができますが、EAとしてのパフォーマンスは全く評価できるものではなく、使い物にならないEAです。これらはEAとしてではなく、EAの使い方の学習用や、ソースコードのプログラムの学習用として利用されています。
プログラミングの学習をしたい場合は、この既存のEAのサンプルコードを参考にしながらプログラムを作成していけば自作EAを作成することができます。エントリーロジックなどをしっかり補強してあがれば、使えるEAにすることも可能です。ただしデフォルトはあくまでサンプルですので、実際に稼働させる場合はストップロスオーダーの設定を組み込んだり専門的なエラー対策のプログラミングなどを施す必要がありますので、そのまま使う場合は練習用として利用してください。
MACDサンプルEAのソースコードを表示する方法は以下の手順です。
- MT4上部のメニューアイコンから「メタクォーツ言語エディタ」をクリックしメタエディタを立ち上げる。
- MT4左のナビゲーターから「Experts」→「MACD Sample.mq4」を選択するとソースコードが開く。
MT4に既存で搭載されているMACDは、一般的なMACDとは異なった仕様になっています。一般的なMACDインジケーターは2本線とヒストグラムで表されます。しかしMT4におけるMACDは、1本線(赤線)と棒グラフで表されています。この赤線がMACD線で、棒グラフがシグナル線に呼応します。赤線と棒グラフが交差することでゴールデンクロスやデッドクロスと判断されます。一般的なMACDチャートに慣れている方はこのMT4仕様のMACDを見ずらいと感じる方が多いでしょう。この問題点は外部からMACDインジケーターをダウンロードすることで解消できます。
MACDは売買のタイミングを計るのに役立つインジケーターのひとつです。MACDの特徴は以下のような点が挙げられます。
①売買のタイミング
ゴールデンクロスやデッドクロスを目安として、売買のタイミングを計ることができます。
②ダイバージェンス
ダイバージェンスとは、レートとMACDの動きが反対に動いている逆行現象のことです。ダイバージェンスを捉えれるようになると、トレンドの転換あるいは継続を判断することができます。
③利用しているトレーダーが多い
利用しているトレーダーが多いということは、「押し目」や「戻し目」に勢いがつきます。意識する人が多いので、売買サインを根拠にした注文が多くなります。
MACDと一緒に使うと相性のいいテクニカル指標は、ストキャスティクス、RSI、ボリンジャーバンドなどが挙げられます。これらと組み合わせて使うことで、だましを回避できり、より精巧なテクニカル分析ができたりします。
MT4のMACDサンプルEAを編集したあとの保存方法は以下のとおりです。
- 「MACD Sample.mq4」を開き「ファイル」→「名前を付けて保存」で任意の名前を付け保存する。
- 必要な部分のソースの書き換えを行う。
- 書き換えが終わったら「コンパイル」をクリックする。
間違いがなければ画面下部の「Description」部分に「0 error(s), 0 warning(s)」と表示されます。エラーが出た場合はエラー部分を適宜修正してください。EAが完成したらバックテストを行い、必要な修正を加えながら調整を行っていきます。MACDサンプルEAを利用すれば、自作EAの練習もかんたんに行えます。
プログラミング知識がなくEAの自作が難しい方は、MT4EAの無料配布サイトからEAをダウンロードし、利用することが出来ます。インストール方法やサポートも充実しているので初心者トレーダーにも安心です。